『記名押印又は自筆による署名』に印鑑は必要?署名捺印との違いは?

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生活していると、「署名捺印」や「記名押印」などといった言葉とよく出会いますよね。

私はその違いに対して疑問を抱いていたものの、その違いをよく理解しないまま生きてきました。

だから書類を作るときに、

「記名押印又は自筆による署名のいずれかにより記載してください」

とあると、

「自筆なら、印鑑て押さなくてもいいのかなあ?」

なんて思ってしまいます。

そこで今回は、ずっと疑問に思っていた「署名」「記名」「捺印」「押印」という、

それぞれの意味や違いについて調べてまとめてみました!!

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署名と記名の違い

「署名」も「記名」も、どちらも意味は名前を書くことですよね。

違いなんてなさそうなんですが、調べてみたら、その意味は異なっていました。

署名とは

署名とは、本人が自筆で氏名を手書きする、いわゆるサインのことをさします。また、自ら署名すると書いて「自署」とも言います。

その署名ですが、契約内容によっては印鑑がなくても契約が成立する場合がありますよね。署名の価値ってとても高いです。それはなぜか。

なぜなら誰もが知っている通り、文字は人によってクセがあるからです。署名による筆跡や筆圧は各個人によって異なるので、サインが自署した本人のものなのかどうかについては第三者によって推定できると、民事訴訟法第229条(筆跡等の対照による証明) によって推定規定されています。

(筆跡等の対照による証明)

第二百二十九条 文書の成立の真否は、筆跡又は印影の対照によっても、証明することができる。

2 第二百十九条、第二百二十三条、第二百二十四条第一項及び第二項、第二百二十六条並びに第二百二十七条の規定は、対照の用に供すべき筆跡又は印影を備える文書その他の物件の提出又は送付について準用する。

3 対照をするのに適当な相手方の筆跡がないときは、裁判所は、対照の用に供すべき文字の筆記を相手方に命ずることができる。

4 相手方が正当な理由なく前項の規定による決定に従わないときは、裁判所は、文書の成立の真否に関する挙証者の主張を真実と認めることができる。書体を変えて筆記したときも、同様とする。

5 第三者が正当な理由なく第二項において準用する第二百二十三条第一項の規定による提出の命令に従わないときは、裁判所は、決定で、十万円以下の過料に処する。

6 前項の決定に対しては、即時抗告をすることができる。

出典元:e-Gov

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記名とは

記名とは、署名(自署)以外の方法によって自分の氏名を現すことをいいます。署名以外というのは例えば、ゴム印やパソコンによる氏名等の入力がこの記名にあたります。

また、他人が代理で氏名を記入する場合なども記名となります。いわゆる代筆ってやつですね。だから、記名は署名とは異なり、他人が代理で氏名を記入するなど、第三者が介在する余地があるので、記名者本人の意思であるかどうかの証明はできません。

捺印と押印の違い

「捺印」も「押印」も、どちらも「印鑑を押す」という意味です。いったい何が違うのでしょうか?

実はこの2つ、「署名」「記名」によって使い方が異なるんです。

「捺印」とは、「署名捺印」が略された呼び名のことです。

「押印」とは、「記名押印」が略された呼び名のことです。

だから、

「署名」のあとに「印鑑を押す」という言葉を使いたいなら、「署名捺印」が正しい表現になります。

「記名」のあとに「印鑑を押す」という言葉を使いたいなら、「記名押印」が正しい表現になります。

署名捺印と記名押印の違い

「署名捺印」と「記名押印」の大きな違いは「自署」にあります。

本人にしか書けない「手書きの署名」は、第三者が介入する「記名」と比べると証拠能力が高く、「記名押印」よりも「署名捺印」の方が法律的に証拠能力が高くなっています。

普段の生活の中で主に使われているものは、「署名捺印」「署名」「記名押印」「記名」の4つですが、法律的に証拠能力の高い順に並べると、このようになります。

※法的な証拠能力 ①>②>③>④

①署名捺印(手書き+印鑑)

②署名のみ(手書き)

③記名押印(ゴム印など+印鑑)

④記名(ゴム印など) 正式な効力とは認められない

出典元:Bizer

補足

国や地方公共団体の機関、もしくは、公務員がその職務上作成した文書を公文書といい、それ以外を私文書といいます。

その私文書の成立については、民事訴訟法第228条 第4項 (文書の成立) により、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する」と推定規定されています。

(文書の成立)
第二百二十八条 文書は、その成立が真正であることを証明しなければならない。
2 文書は、その方式及び趣旨により公務員が職務上作成したものと認めるべきときは、真正に成立した公文書と推定する。
3 公文書の成立の真否について疑いがあるときは、裁判所は、職権で、当該官庁又は公署に照会をすることができる。
4 私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。
5 第二項及び第三項の規定は、外国の官庁又は公署の作成に係るものと認めるべき文書について準用する。

出典元:e-Gov

ちなみに、「私文書は、本人又はその代理人の署名又は押印があるときは、真正に成立したものと推定する。」とありますが、商取引においては記名押印することで署名と認めることができると、商法第32条において規定されています。

第三十二条 この法律の規定により署名すべき場合には、記名押印をもって、署名に代えることができる。

出典元:e-Gov

実務上では、署名捺印(手書き+印鑑)が主流のようです。ただ、印鑑を持たない国の人との契約などもありますよね。

だから商法第32条では、記名押印することで署名と認めることができる」とありますが、そうでない場合もあるようですので、場合によっては専門家の人に相談した方がいいかもしれません。

まとめ

「署名」と「記名」の違いとは

■署名=自署・サイン

■記名=ゴム印やパソコンによる氏名等の入力など

※他人が代理で氏名を記入する場合なども記名という

「捺印」と「押印」の違いとは

■氏名を手書きした書類に印鑑を押す行為=「捺印」

■手書きでない氏名が記載された書類に印鑑を押す行為=「押印」

署名捺印と記名捺印の違いとは

■法的な証拠能力に差があり、法的に証拠能力一番が強いのは「署名捺印」

署名が法的証拠能力として強いのは容易に想像できますが、「記名押印」よりも、手書きのみの「署名」の方が法的証拠能力が高いはちょっと意外でした。

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