突然ですが、通級ってご存知ですか?
学校には普通級と特別支援級があるということは多くの方がご存知の事と思います。
実は、1993年から特別支援教育の一つとして通級学級制度が始まり、比較的軽度の障害を持つ児童(グレーゾーン含む)がここで学んでいます。
ウチは息子の不登校をきっかけに、このクラスの存在を知りました。
今回は通級について調べたこと、体験したことをまとめておこうと思います。
学校やクラスの種類
障害を持つお子さんが入学する際にはいくつか選択肢があります。
それは、通常学級・通級学級・特別支援級・特別支援学校の4つです。
各クラスの特徴
通常学級・・・・・・重い障害がなければ誰でも入れます
通級学級・・・・・グレーゾーンを含む、比較的軽度の障害を持つ児童・生徒が対象です
特別支援学級・・・軽度から中度の障害をもつ児童・生徒が対象です
特別支援学校・・・重度障害を持つ児童・生徒が対象です
幼稚園から高校まであります
通級学級と特別支援学級
特別支援学級はほとんどの学校に設置されており、学校教育法81条で定める該当者は、
知的障害・肢体不自由・身体虚弱・弱視・難聴・その他障害があるものとしています。
籍は特別支援学級に置きます。
通級学級の設置は自治体差があり、まだない自治体もあります。
学校教育法施行規則第140条で定める該当者は、言語障害・自閉症者・情緒障害・弱視者・
難聴者・学習障害者・注意欠陥多動性障害者・その他障害があるものとしています。
籍は通常学級に置きます。
また、通級教室は各学校内に存在するのではなく、各自治体に一つ程度で存在します。
だから、必ずしもあなたのお子さんが通学する学校に存在するとは限りません。
通級学級か特別支援学級か
息子の不登校の問題が本格化してきたときに、私は担任から通級を紹介されました。
しかし、通級については担任もあまり理解していなかったようで、担任の方から紹介したのにもかかわらず、この話はなかったことになってしまいました。
それから数か月後、うちの息子はADHDの傾向が分かり(グレーゾーン)、医師の助言もあったことから特別支援学級を検討し始めました。
そして、主人と色々と悩んだ末、特別支援学級を希望し、学校側と話し合いをしました。
私たち夫婦は医師の勧めもあるので入級できるものと思っていましたが、なんと、学校側の総合的な判断の末、結局こちらも入級できませんでした。
うちの息子は誰かに迷惑をかけるタイプではないこともあり、通級学級さえ必要ないくらいに言われてしまいました。
入級条件はあいまい
記事の最初の方で支援学級等の特徴を記しておきましたが、それぞれに入級するための条件はとてもあいまいで、その条件はある程度の傾向はあるものの、自治体や学校ごとに異なるようです。
うちの子の場合、特別支援学級への入級は何が何でもお断りの雰囲気だったので、私はダメもとで通級学級へ直接相談に行ってみました。
そうしたらなんと、以前に通級学級を断られた原因が分かりました。実は原因は定員オーバーだったのです。
だったら素直にそのように言ってくれれば良かったのに、もの凄くあいまいな断られ方だったので、これは学校組織のしがらみとかが関係しているのかなと疑ってしまいました。
結局これまでの経緯を通級学級の先生へ相談したら、その先生が学校と相談してみますとのことで、通級学級へ入級できる可能性が出てきたんですね。
そしてその結果、たまたまその時期に通級学級で空きが出来たために、正式ではないけどお試しで入級させてもらえることになったんです。
通級学級は週一程度
通級のお試しが決まったこのころは、うちの子は不登校真っ最中でした。
だから家にいることが多かったので、通級へ行かせてもらえることはとてもありがたかったです。
ウチは週に1回行かせてもらっていたのですが、実はこれはお試しだからなのではなく、多い子でも週に2回なんです。
そして時間も1時間か45分間程度。
これも自治体や学校によるようですが、私は特別支援学級のようなイメージだったので、少しだけ物足りない、残念な気持ちになりました。
居場所はできたけど
私は通級の時間に対して物足りなさを感じていたものの、息子の居場所をつくってあげられたので、とりあえずは安心しました。
通級では当初、息子が新しい場所や先生に慣れていないために、私と息子と先生で遊び中心の活動を続けていました。
時々欠席しながらの通級となっていましたが、通い始めて1カ月後くらいには、やっと子どもが場所や先生に慣れてきて、息子は先生マンツーマンでの活動ができるようになっていきました。
しかし、やっと息子が前進できたと喜んではみたものの、この頃の私はまだ発達障害の知識が浅く、本当にこんな週に1回通うだけで、しかも遊んでいるだけで意味があるのかと疑心暗鬼になっていました。
遊びは学び
翌年、うちの息子は正式に通級へ通うことが許され、最終的には3年生まで通いました。
当初はやっと入れた通級に迷いが生じてしまいましたが、今は通級に通ってよかったなと思っています。
なぜなら、息子が教室へ復帰することができたからです。
息子が教室へ復帰できた背景には、通級の先生との活動にあるのではないかと推測しています。
息子の通級では、自己肯定感を育むことに重きをおいていて、児童への接し方はとても柔らかいです。
何か間違ったことをしても、先生が息子を怒鳴るようなことはありません。
指導は諭すような口調で、児童を励ましてくれます。
また、児童の良いところをたくさん褒めてくれます。
息子の不登校の原因のひとつに、担任や学校の「教師」に対する恐怖感が強いことがあったのですが、
おそらく息子は、こうした通級での活動を通し、教師に対する「恐怖感」や「不安感」を息子なりに払しょくできたから、教室へ戻ることができたんだと思います。
今だから分かりますが、ずっと疑問だった「遊び」という名の活動は、実は「学び」だったんだなと確信しています。
「遊び」を通して息子は教師に対する信頼感を取り戻しただけでなく、
・自分の気持ちを言葉にして伝えること
・我慢をすること
・気持ちを切り替えること
の能力も向上させていました。
さいごに
現在、通級教室や特別支援教室を希望する児童・生徒は増加傾向にあります。
だから、希望してもなかなか親の思うようにはならないというのが実情なんですね。
しかし、こういった状況ではありますが、学校との話し合いに納得ができない場合は教育委員会などに相談することも大切かもしれません。
なぜなら、思い通りにはならなくても、何か今後のヒントは得られるかもしれませんから。