夏休みに入るとやってくるあの大量のもの。そう、夏休みの宿題。
そもそも宿題って義務なのでしょうか?
実は、宿題が義務かどうかは、学校の授業の指針となるアレにも載っていません。
うちの子は小学生ですが、この夏休みの宿題って昔から何も変わってないです。
いくら学校が休みで学習が止まってしまうからといっても、あんなに大量の課題を一律にやらせるべきなのでしょうか?
今回は宿題のあり方について、まとめてみました。
宿題の存在意義
学習指導要領
学習指導要領とは、地域よって受けられる教育に差が出ないようにと、文部科学省が一定の教育水準をまとめたもので、各学校はこれを基準にカリキュラムを編成しています。
学習指導要領は小学校・中学校・高等学校等ごとにあり、各教科等の目標や大まかな教育内容、また、年間の標準授業時数等も定めています。
宿題の必要性
その学習指導要領では、学習習慣を身につけさせることは教育の大切な柱としてはいるものの、実は、「宿題を出して下さい」という項目はなく、各学校や各教師の裁量まかせになっているのが実態のようです。
つまり、公教育では「宿題」は義務化されていないということになりますよね。
ということは、学校自体にも宿題を出す義務はないので、宿題を出している先生というのはサービスで行っているということにもなります。
教師が宿題を出す理由
教師が宿題を出す理由には
・最近習った学習内容を復習させるため
・理解度が低い学習内容を定着化させるため
・家庭での学習を習慣化させるため
・評価の対象にするため
などがあるようですね。
実は先生も辛い宿題
子どもたちのためとはいえ、実は、宿題を出すことは教師自身の負担にもなります。
教師の本来の仕事は毎日の授業。
その準備に時間をかけるべきなのに、宿題の準備をしたりマルつけをするのはサービス残業みたいな感じなのかもしれません。
小学校の宿題が増えた理由
ある教育研究所のデータによると、小学生の宿題は10年前より増えているそうです。
なぜ増えたのかというと、その背景には、新学習指導要領にあるようなんです。
新学習要領では、基礎基本の知識・技能だけではなく、「考える力」「判断する力」「表現する力」の育成が加わりました。
これらの力は授業で学んだだけでは身につきにくく、家庭で復習することが重要になってきたからのようですね。
宿題のあり方とは
人間は忘れる生き物です。なまけものの一面もあります。だから宿題が大切なのは分かります。
でもだからといって、一律に大量の課題を出す必要はあるのでしょうか?
宿題研究の第一人者と言われるデューク大学のハリス・クーパー氏は、宿題の量の目安は「学年×10分」と主張しています。
小学1年なら10分、6年生なら60分です。
また、少ない宿題は効果的だが、多すぎる宿題は逆効果だとも主張しています。
宿題とはこうだ!という固定概念は捨てて欲しい
個人的な意見ではありますが、教師が出す宿題のモデルっておそらく、自分自身の子ども時代にあるのではないでしょうか?
宿題ってこんな感じだったよな?って、昔ながらの定番の方法で出してしまう。
でも、今は21世紀。インターネットが普及し、AIも進歩して、今まで想像もしなかった世界がやってくるかもしれない。
自分の頭で考えて新しいことに挑戦したり、創造したりしていく力が必要になってきているのに、宿題の中身が昔のままなのは残念です。
宿題にとって大切なこととは?
宿題にとって一番重要なことといえば、まずは量と質なんではないでしょうか?
学習の能力は個人差が大きいですから、基本の量は少なめに設定し、あとは自主勉強にすべきだと思います。
また、秋田県式学習法のように、課題も内容も子どもにまかせる宿題のようなものもすごく良いと思います。
個人的にはこれこそ、今の子どもたちに必要な課題だと思います。
その証拠に、秋田県は塾に通う子どもの割合が全国最低だけど、全国学力テストが7年連続1位で、家庭学習の時間も全国平均を大幅に上回っていますから!
まとめ
・宿題は義務ではないけど、学習習慣を身につけさせるために必要だからある。
・問題は宿題の量と質で、教師は「学年×10分」を目安に課題設定するべし。
宿題代行業者が存在する現在、学校はもっと真剣に宿題のあり方について議論すべきだと思います。