あなたはペアレントトレーニングという言葉を聞いたことがありますか?私は先日、「ペアレントトレーニング」という子育て講座に参加しました。
このペアレントトレーニングとはもともと、発達障害の子どもを育てる保護者への「子育て支援」と子どもの「発達支援」を目的として生まれたもので、現在では、発達障害ではない子どもや育てにくい子どもにも応用されています。
今回はそんなペアレントトレーニングで学んだ「子どものほめ方」について、私が学んだことをお話ししたいと思います。
【もくじ】
・ペアレントトレーニングとは?
・まずやること
・褒めること
・行動を分ける
・25パーセントルール
・出来ていることに注目する
・さいごに
ペアレントトレーニングとは?
ペアレントトレーニングとは1970年代ころ、知的障害や自閉症等の子どもをもつ家族を対象に、アメリカで発祥した療育プログラムです。
このプログラムは、発達障害の子どもを育てる保護者に対する「育児支援」と、子どもの発達を支援する「発達支援」を目的とし、この他にも、支援施設での療育の効果を向上させたり、維持させたりする目的をもって生まれました。
そして現在では、知的障害や自閉症だけではなく、ADHDなどの障害種別に応じたプログラムも開発されています。
まずやること
私は2年くらい前に、たまたま地元で開かれたペアレントトレーニング講座を受講したのですが、その講座ではまず、子どもの良いところを出来るだけくさん見つけるという事をしたのを覚えています。
講師 「お子さんの良いところを、まずは10コ書いてみましょう!」
私 「えっ!良いところ?」
「う~ん…」
こう言われたら、あなたは10コ書けますか?
ちょっと試してみてください。
…………。
…………。
…………。
どうですか?
10個書けましたか?
「えっ、書けないですか!?」
「でも、大丈夫です!!」
もし、たくさん見つからなかったとしても大丈夫ですよ。
私は講座を受講した際には、2~3個くらいしか出てきませんでしたし、他の方々も沢山は書けていません。
講師の方も今までの経験上、たくさん書ける人は少ないと言っていました。
私たち人間は、良いところよりも悪いところを探す方が得意。
だから、なかなか子どもの良いところを書けないんだそうです。
褒めること
子どもを褒めるという事は、子どもとの信頼関係を築くのに必要不可欠なものです。
子どもは親から褒められたり、認められたりすることで親を信頼し、自分に対しても「自分は自分でいいんだ」という自己肯定感を抱くことができます。
この自己肯定感が高い子どもというのは、常に気持ちが安定し、もし、何かにつまずくようなことがあっても簡単には凹みません。
逆に、怒られたり、否定ばかりされた子どもというのは、この自己肯定感が育ちにくく、気持ちが不安定で、問題行動を起こしやすくなってしまいます。
上手に褒めるためには、まず褒めるべき行動を分ける必要があります。
行動を分ける
ペアレントトレーニングでは、子どもの行動を「好ましい行動」「減らしたい行動」「無くしたい行動」の3つに分けて考えます。
そして次に「減らしたい行動」や「無くしたい行動」をしたときの「代わりにとって欲しい行動」を考えます。
どういうことかというと、例えばうちの場合、息子は家の中を運動場の様にして走り回ったりしていたので、私はそれを改善したいなと思っていました。
だからこの場合
好ましい行動 =「家ではおとなしく遊ぶ」
減らしたい行動 =「家を運動場のようにして遊ぶ」
とします。
では、代わりにとって欲しい行動はどうしたら良いのか?
多動の子の動きを激しく制限するのは難しいので、私は体をいっぱい動かせる部屋を作り、そこにトランポリンと鉄棒とバランスボールをおいて、いつでもそこで遊べるようにしました。
そして、体をいっぱい動かしたい時は、その部屋で遊ぶように声掛けをするようにしました。
つまり、
代わりにとって欲しい行動 = 「運動遊びは運動遊び用の部屋でする」
としたのです。
ただ大人しく遊びなさいと怒るだけでは何も解決しませんし、何度も激しく怒っって行動を変えようとする事は子どもの自己肯定感を低くしてしまい、他の問題行動につながってしまう可能性があります。
25パーセントルール
代わりにとって欲しい行動を上手に促すためには、親子の信頼関係がとても重要です。
だから、子どもの「良いところ探し」と「褒めること」をまずはしっかりとする必要があるのですが、うちの息子は褒めるポイントが少なすぎて、私はどうすれば褒められるんだろうと困ったんです。
でもそれは私だけではなく、講座の参加者の多くが困っていたことで、そんな時に講師はこう言いました。
「褒めるのは、子どもが100%出来た時じゃなくてもいいんです」
「理想の25%を達成できていれば」
「その25パーセントを褒めてあげてください!!」と。
どういうことかというと、例えば子どもにお風呂の掃除を頼んだとします。
子どもは言われた通りに洗ったので、親はお風呂を確認しに行きました。
しかし、お風呂は洗ってはあるものの、泡がまだ落ち切っていませんでした。
こういった場合、多くの親は「洗えてないじゃないか」と怒ると思います。
「もっとちゃんと綺麗に洗いなさい」と。
確かにこの状態では、大人の思う「洗えているという状態」ではありません。
だから100点満点ではないんですね。
しかし、この子どもは「洗った」のです。
25点くらいはあげられると思いませんか?
つまり、25パーセントを褒めるという事は、「洗った」「洗ってくれた」という
「出来ている行動」に注目してそこを「褒めましょう」という事なんです。
出来ていることに注目する
これを聞いた時、私は「なるほど~!!」と目からうろこ状態でした。
褒めるハードルはもっともっと下げてあげればいいんだと気づきました。
例えば、鉛筆さえ持とうとしない宿題嫌いの子どもには「宿題しなさい(怒)」ではなく、ちょっとでも宿題に取り組もうとしたら「やる気を出せたね」と、すぐにまず褒め、鉛筆を持てたら「鉛筆持てたね」と、またそれを褒めてあげればいいんです。
食事中に食べ歩く子どもなら、座って食べられている時にすぐ褒めてあげればいいんです。
この25パーセントルール、私は最初うまくできなかったんですけど、出来ていることに注目するように意識していたらだんだん慣れてきて、褒め上手になってきました。
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さいごに
25%ルール、あなたはどんな風に感じましたか?
うちの息子は出来ないことが本当に多いので、このルールを知る前は怒ってばかりいました。
でもこのルールを学んでからは「出来ていることに注目する」クセがついて、子どもを褒めやすくなり、子どもの問題行動も減りつつあります。
25%ルール、あなたもぜひ試してみてください。